【長屋】古民家美容室、保健所とおすのが大変だった話

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堺市錦之町にある古民家で美容室をしています。わかです。

美容室をオープンするとき保健所を通さないといけないのですが、
まぁこんな場所というのもあって、一筋縄ではいかなかったのです。

記憶が薄くならないうちに、その時のことを書いておこうと思います。

築約120年の長屋。

まず、美容室は保健衛生上クリアしないといけない構造条件があります。
市や県によって多少違いはあるようですが、堺市はこんな感じ。
(ネットよりそのまま抜粋。)

  1. 作業場の面積: 待合室との合計で13㎡以上(一部例外あり)。
  2. 床・腰板: コンクリート、タイル、リノリュームなどの不浸透性材料。
  3. 照明: 作業面が100ルクス以上確保されているか。
  4. 換気: 炭酸ガス濃度が5m³以下に保てる設備。
  5. 給排水: 洗場は流水装置付きか。
  6. 区分: 作業場と待合室が明確に区分されているか(壁などで区切られているか)。
  7. 構造設備図との照合: 届出の図面通りに設置されているか。

で、大体これがクリア出来るよう内装をつくるのですが、うちの場合「古民家の状態を出来るだけそのままにする」が理想だったので項目2で躓きました。

床と壁に不浸透性材料を使わなければならず、土壁がNG、土間のたたきが微妙…
上から防水のなにか張れば早い話なのですが、それではこの経年変化の良さが生かされません。

そしてもう一つ、(三つ部屋があるうちの)一番奥と土間を美容所にする予定でしたが、
きちんと区切らないと長屋全体を美容所と見なされ、全てを不浸透性材料にしなければいけません。
そうなると畳の部屋はNGです。(畳がなければ昔の趣がなくなるよー)

これに関しては、内装の方が間に扉をつけてくれ、区切りが分かるようにすることで解決。
(当初の予定と色々変更して、地味に頭悩ませた…)

間に扉をつけてくれました。
素敵な日本画の描かれたガラスが入っています。

そして、床と壁の不浸透性素材をどうするか…

はじめ見つけたのは、土壁や漆喰の風合いを壊さずに防水に出来る塗料。
これだ!と思ったのですが、サンプルで試し塗りをしたらあんまり水を弾かない…

どうやら、何年も時を経た土壁は乾燥しすぎて、相当量を塗らないと効かないっぽい…
(ホームページで見た、新しく塗った土壁はめっちゃ弾いてました。)

さてどうしようかということで、保健所の方に相談がてら下見に来てもらいました。

なにを言われるかビビってたのですが、
実際見てもらうと、

たたき(土間の部分) → 和製コンクリートってことでOKに
美容室内の床 → 木材はそもそもOK
土壁 → 腰の位置あたりで何かつければOK

てな感じでめっちゃスムーズにOK出ました(笑)

メールでやり取りしてる時はかなり困らせてる感じしたのですが、
保健所の方めちゃ優しかったです。

これで一安心。

壁に関しては、内装して下さった方が、元の風合いに合うよう施工してくれました。

壁には古材で腰板を。元々こうだったみたいに馴染んでる。
サロン内。腰ぐらいって言われてたけど、このくらいでオッケーだった。
棚の向こう側も必要。板を張って漆喰を塗布。土壁と色が合うように黒と緑の色味を混ぜてくれた。壁の土落ちてくる問題も同時に解決
たたき。砂を押し固めた感じのもの。和製コンクリートってことになった。

保健所の方には、ほんとめんどくさい人って思われてたと思う。
それでも、きちんと対応して付き合って下さいました。

「古民家の状態を可能な限り残してお店を作りたい!」と言うのは、
もうそうじゃないと意味ないぐらいの感じだったので、それが実現出来るように模索しました。有り難いことに協力してくれる人もいました。

ルールを守ることはもちろん大事で、その中で工夫して理想の状態にも持ってこれたのはほんとに良かったです。

現在築約120年から、この先200年、300年とどんな形になってるかは分からないですが、
ずっとこの長屋が歴史を刻んでいければいいと思います。